フランス在住ママ連載|フランス語ゼロで現地校入園!幼稚園の様子は?
petit à petit|himama流フランスで子育て Vol.10
フランスで暮らすhimamaさんファミリーの日常を綴る人気連載。昨年の9月から、フランス語ゼロ&日本人1人という環境のなか、現地の幼稚園へと通いだしたひまりちゃん。日本とは違うフランス幼稚園事情もご紹介。
フランスでの幼稚園
昨年の9月に、現地公立幼稚園の「Petite Section(年少クラス)」に入園した娘。
日本とは学年の数え方が違うため、娘の場合は日本の同級生たちより半年早い入園となりました。
初めてのクラスメイトとの集合写真は宝物。
入園時の様子はこちら。
フランス語ゼロ、日本人も1人、という環境に放り込まれ6ヶ月が経った現在。
実際の幼稚園生活をご紹介します。
1日の園生活の流れ
フランスの学校は基本的に月・火・木・金となっており、水曜日は午前中のみか1日お休みの場合がほとんどです。
実際の1日の流れは大体こんな感じ。
8:30 登園
安全面の懸念がある為、幼稚園だけでなく、小学生であっても必ず親が入り口まで送り迎えをすることになっています。
日本のような集団下校などもなく、送り迎えの時間には校門の周りを警察が見回ってくれています。
送りはパパとママの分担制。
同じクラスのパパママが集まるので、コミュニケーションが取れる貴重な時間でもあります。
教室には1組ずつ順番に入り、給食をとるかとらないかのチェックを終えると、娘とビズ(※)をしてお別れです。
※編集部注:フランス流の挨拶。相手の頬と自分の頬をくっつけながら「チュッ」と口で鳴らすキスのこと
9:00 授業開始
授業内容はクラスによって異なります。
室内遊びも。
娘のクラスでは、午前中にお外遊びをすることが多いよう。
お外遊びでは他の学年とも一緒になる事も多く、上のクラスのお友達によく遊んでもらっているみたいです。
また水曜日はこの時間に英語の授業があります。
11:45〜14:00 お昼ごはん&昼休み
なんとお昼の時間が2時間もあります。
この時間に家に帰ってお昼ご飯を食べてくるのもOK。
お昼ご飯の後は、真っ暗にされたお昼寝部屋に入れられるそう…。
ある日先生に「昼寝は絶対しなければいけませんか?」と尋ねたところ、
「寝ても寝なくても、子供たちはみんなあの部屋で休ませるの!だってその間世話できる人は誰もいないから」とのこと。
この2時間、先生たちも業務時間外なのです。
お昼ご飯も先生は同席せず、食堂スタッフさんが担当。
なんともフランスらしいですよね。
14:00 午後の授業
室内アクティビティが中心。
マットあそびや、モンテッソーリ知育、読み聞かせ、歌、文字の勉強など。
複数の班に分かれて、同じ時間に様々なアクティビティを行っているようです。
工作チーム、モンテッソーリチームなどに分かれて活動。
「自分のことは自分で」がフランス流の教育。
おもちゃや工作の準備、着替えなども先生にサポートしてもらいながらも基本的には全て子供たち自ら行います。
最近はアルファベットの練習をしているようです。
その勉強方法がユニーク。
クラスメイトの名前の頭文字を覚え、さらにそれぞれの文字を動作つきで記憶しています。
例えば「アクセルくんのA(アー)」の動作はこちら。
勢いがすごいです!笑
他にも「I(イ)」の場合は口の横で一本指を立てる
「F(エフ)」の場合は手を左から右へ早く動かす、など。
音と動作をリンク付けて覚えやすくしているようです。
16:15 お迎え
特に何もなければ、「A demain ! (また明日)」で先生とバイバイ。
日本のように1日の様子を記した連絡ノートのような物はないので、気になることがあればこの時間に先生と話をします。
先生に名前を呼ばれるまで外に出ないように。
この時間にお迎えに来られない家庭は、この後学童に預けることができます。
フランスではこの時間がおやつの時間なので、学童の子はおやつBOXを学校に持参してきています。
これぞフランス流 学校制度
1ヶ月半おきにくるバカンス
この6ヶ月の間に2週間のバカンスがなんと3回もありました。
「学校は疲れるから、先生も子供たちもお休みが必要!」とのこと。
我が家はオーヴェルニュ へ。
しかし、共働きがほとんどのフランス社会。
このバカンスの度に親が仕事を休むわけにもいきません。
その為、子供たちはおじいちゃんおばあちゃんの家に預けられることが多いようです。
2月の冬のバカンスには両親も数日休みを取り、家族がスキー旅行に行くことも定番。
まさかの理由で突然のクラス閉鎖
今年はコロナの影響で日本同様にクラス閉鎖が相次いだフランスですが、それ以外の理由でもクラスを閉鎖することが…。
担任の先生から、「来週のこの日はお休みをとります。代わりの先生はいません。」との連絡が。
先生が休みを取るのでこの日、うちのクラスだけは授業ができませんよ、ということです。
日本では考えられないようなことですが、特に文句をいう人もなくその通りにスケジュールが進みます。
急遽自宅保育になる場合も。
どうしようもないからと割り切ってしまうところが、すごくフランスらしいですね。
頻発するストライキ
ストライキ大国のフランス。
もちろん学校や公共の施設も、しっかりストライキを起こします。
この半年でうちの学校では2回か3回ほど給食センターが停止し、お昼は帰宅ということに。
先生たちのストライキは1回だけで、1日クラスがお休みになりました。
その時はコロナ対応への不満と教員の人員不足への不満が理由、とのことでした。
学校からのストライキのお知らせ。
ストライキするしないは各先生の意思なので、お休みになるクラスと通常通りのクラスがあります。
親としては嬉しくはない状況ですが、学校の先生であっても自分の意思を主張できるところはすごいなと思います。
子供たちも自己主張が強くなるわけだ、と妙に納得してしまいました。
フランス語ゼロで入園して半年。現在の語彙力は?
入園して半年、バカンスを除くと実質4ヶ月ほどの幼稚園生活。
簡単な単語や数、文章なら、フランス語で話せるようになりました。
発話に関してはおそらく1歳児半くらいのレベルです。
フランス語と日本語の区別もしっかりついていて、
フランス語で質問すればフランス語で返答が返ってきます。
フランス語の絵本も一緒に読みます。
毎朝先生に「Tu manges a la cantine?(給食食べる?)」と聞かれれば「Oui(うん)」と答え、
別の日に「Tu manges ou?(どこで食べる?)」と聞かれた時には「A la cantine(食堂で)」と答えられるので、
聞かれている内容もなんとなく理解できるようになっているようです。
入園してからの最初の数ヶ月は登園もなかなかスムーズではなかったのですが、今ではすっかり楽しんでいるようです。
今後の娘の成長が楽しみです!
最後までご覧いただきありがとうございました。
それでは、À bientôt!
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