“子宮脱”って?今からできる予防は?原因・予防・治療法|骨盤底筋を鍛えよう!
KAORI'S MAMA LIFE Vol.8
産婦人科専門医であり、三姉妹ママ阿部佳織さんの人気連載!ファッショニスタママとしても人気のかおりさん。今回は専門である婦人科医として、前回の「尿漏れ」に続き、予防したい「子宮脱」について教えてもらいます。
意外と多い?!子宮脱ってなに?
知っておきたい原因や今からできる予防法を紹介
前回の続き、産後の女性の体のトラブルについて。
今回は「子宮脱」です。
みなさん、「子宮脱」って、ご存知でしたか??
その名の通り、子宮が出てきちゃう状態です。
え、どこから?と思うかもしれませんが、腟からです!!
▼前回の記事はこちら
産婦人科医じゃなかったら知らなかったかもしれないなと思います。でも、外来をしていると珍しくありません。
私自身、妊娠中に子宮脱になったらどうしようと恐れていました。笑
3人目妊娠中、子宮も大きく重くなるのに加え、上の子の抱っこも加わり、今にも子宮ごと出てきそうな感覚がありました。笑
産後、1年経つ今は、その感覚は全くありませんが、
子宮脱の原因も骨盤底筋の支持力が弱くなることなんです!
弱くなった骨盤底筋を放っておくとどんどん筋肉が衰え、そして、子宮が出てくるのです。
子宮脱の前段階は「子宮下垂」といいます。
子宮脱で外来を受診される方のほとんどは高齢の方ですが、その方たちは、急に子宮が出てきたわけではありません。ちなみに私は、30代の方も診たことがあります。
将来、誰にでも可能性はあるので、今から少しでもケアをして予防するのがおすすめ。
子宮脱ってこんな病気
症状
最初はしゃがんだ時、重いものを持った時、陰部に何か挟まっている感覚や、お風呂に入っている時にピンポン玉のような硬いものが触れて気づくことが多いです。
酷くなると、常に子宮が外側に出てきます。出血や痛みが出て、排尿困難や感染症になってしまうことがあります。
原因
骨盤底筋の支持力が弱くなるからです。
その大きな原因は出産、加齢です!!
腹圧のかかる生活習慣や病気、肥満なども。
治療
初期ならまず、骨盤底筋を鍛えましょう!!早めに鍛えれば治ります!!!!!
保存的治療ではペッサリーというリングを腟に入れます。
手術もあります。
子宮脱の状態、年齢、全身状態、合併症、本人の希望などを考えて選択します。
骨盤底筋体操のおさらい
ここで、前回の“尿漏れ”でも紹介した、骨盤底筋体操をおさらい。
一緒に、緩んでしまった骨盤底筋を鍛えましょう!
骨盤底筋体操のやり方
①身体の力を抜き、リラックス
姿勢は、仰向け、立って机にもたれた姿勢、椅子に座った姿勢、ひじやひざをついた姿勢など、どんな姿勢でも大丈夫です。
②背筋を伸ばし、足を肩幅に開く
③肛門、膣を締める。5秒間
ここが難しいですね。おしっこを我慢しているときのような感覚で、膣を体の中に引っ張るイメージです。
④ゆっくり力を抜く。
③④を10回ほど繰り返します。
この体操を毎日続けましょう!一回に何回も行うより、毎日続けることがポイントです!
効果が現れるのには1~3か月かかります。
無理なく続けて
皆さん、産後はご無理なさらず!!
産後は絶対骨盤底筋緩みますので、重いもの持ったりとか、腹圧かけ過ぎたりとかしないようにしましょうね!
そして、骨盤底筋体操をして、骨盤底筋を鍛えましょう!
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産婦人科専門医
Kaori Abe
産婦人科専門医
2019年2月に長女出産。
2020年8月に次女出産。
2022年1月に三女を出産。
現在は一時的に休職し育児に専念中。
今後は産婦人科の情報も発信予定!
Instagram:@kaoria320