フランスと日本、子育ての違いって?現地ママの新連載がスタート
petit à petit|himama流フランスで子育て Vol.1
フランスで暮らすhimamaさんファミリーの日常を綴る新連載。文化の違う国での2歳の娘さんの子育ては、驚きや発見がいっぱい。フランスでの子育てに興味のあるママも多いはず。hiamamさんが撮る、娘ちゃんの可愛い写真も必見です。
Bonjour! フランスでの子育てをご紹介する新連載
娘と私
はじめまして。フランス在住himamaと申します。
夫と2歳の娘と共に、「ナント」という街で暮らしています。
フランスへは昨年に夫の転勤で移住してきたばかり。
文化の違いに戸惑いながらも、少しずつフランス文化に足を踏み入れています。
日本とは違ったフランスならではの子育て術を、皆さんにもご紹介していきます。
子供は小さな大人。フランス流子育て術
お城の周りをお散歩中
フランスでは子どものことを「小さな大人」として扱います。
例え生まれたばかりの赤ちゃんであっても自立心を養うために、親が過剰にコミュニケーションをとることはしません。
子供の自立を助長するような考え方が、フランスの子育てには根付いています。
寝かしつけをしないネントレ?
日本のママたちの間でよく議題にあがる「ネントレ」問題。
我が家の娘は赤ちゃんの頃から寝るのがとても苦手で、2歳になった今でも悩ましい問題の1つです。
寝ようか迷い中…?
「フランスの子供は夜泣きをしない」という言葉を聞いたことはありますか?
実際にフランスで長く暮らす先輩ママさんから、
「今まで寝かしつけということをしたことがない。寝る時間がきたら子供部屋に連れていき、おやすみを言うだけ。」
という話を聞いたことがあります。
私たちはこれ程までに苦労しているのに、その差はどこにあるのでしょう。
多くのフランスのママ達が実践する方法がありました。
- 一人部屋で寝かせる
日本では添い寝や夫婦の寝室にベビーベットを設置するという方法が一般的ではありますが、フランスの場合生後数週から一人の部屋で夜を過ごします。
ベビーベッドに連れていき、おやすみをいって退室。寝るまで隣にいるという事はありません。
日本のように抱っこで揺らしたり、トントンしたりもしません。
こうする事で、子どもが子ども自身の力で寝付くということを学びます。
ある日のお昼寝
- 泣いてもすぐに応じない
赤ちゃんが泣いてもすぐに駆け寄らず、少しの間泣かせたままに。
赤ちゃんは、レム睡眠とノンレム睡眠と呼ばれる睡眠サイクルの切替のタイミングで夜泣きをすると言われています。
このタイミングを学ばせるために少しの間様子を見守るということです。
もちろん時間が経っても泣き止まない場合は、授乳をしたりあやしたりします。
日本の場合は夜泣きをした時、または決められた時間に起きて授乳するという方法が多いと思います。
実際に私も産院でそのように教えられ、それを忠実に断乳期頃まで続けていました。
その結果、お腹を空かせて起きるというような習慣をつけてしまっていたのだと思います。
フランスではこのような方法をとる事で大抵の場合は、生後3〜4ヶ月頃までに一人で朝まで寝れるようになると言います。
まだまだネンネが苦手な我が家の2歳児
子供に理由を伝える
フランスの子育てで特徴的と言えるのが、子どもに「伝える」こと。
私の実体験でハッとさせられた事があったのでご紹介します。
フランスには日本と違った保育制度がありますが、現在2歳の娘は「Garderie(ギャルドリー)」と呼ばれる一時保育園に通っています。
今は週2回の慣らし保育中です。
休日のお出かけ
日本にいる時に短期間だけ一時保育を利用していたことがありましたが、大抵の時間、特に平日日中は私と二人で過ごす時間が圧倒的に多かったです。
そのため、かなりの甘えん坊に育ちました。
人見知りは全くしないのですが、ママがいないとだめな性格だったので最初はうまくいくのだろうか、と不安な気持ちでいました。
慣らし保育のスタート
慣らし保育のスケジュールはその子の様子を見ながら決めていきます。
我が家の場合、まず初日は30分のみママ同伴からスタートしました。
まずは保育所が安全で楽しい場所であるということを子どもに理解してもらいます。
お人形遊びに夢中
ママが退室して戻ってくることを伝える
30分の付き添いを2回終えた次は、30分のうちの20分間だけ、ママが退室します。
この退室する際にとても大切なのが、子どもに今から起こることを「伝える」ということ。
先生からは必ず、「今からお外に行くけどすぐ戻ってくるよ、ということを伝えてから出て行ってね」というような指示があります。
日本で一時保育を利用していた際の経験ですが、退室の際は特に声もかけず子どもが遊びに夢中なうちにこっそりと出ていくというのが当たり前と思っていたので、これには驚き何かハッとさせられるものがありました。
実際に娘にそのようなことを伝えると、「ママ行かないで!ヤダ!」と言い泣きついてきます。
イヤイヤをなだめる私
子どもが気づかない間に退室していれば、このようなことにはならず30分程度であればママなしでお友達と楽しく遊べていたかもしれません。
でもフランスでは、子どもは小さな大人です。
どんなに小さな子、例えまだ言葉が理解できない子に対してもごまかしたり、騙したりするようなことはせず、正面から向き合います。
他の方法よりも確実に時間はかかります。
でも子どもが自分自身で納得して行動するということはとても素晴らしいこと、とフランスでは考えるのです。
皆の気持ちを尊重して進める
毎回先生と相談しながら、娘にとっても私にとっても良い方法を試してきた結果、保育園に通い始めて1ヶ月でやっと1時間ママなしで楽しく遊べるようになりました。
娘と一緒にフランス語のお勉強
おそらく日本の保育園に比べるととても慎重だし、スローペースだと思います。
先生達は慣らし保育を進めていく上で、娘のことはもちろんですが毎回私の気持ちも尊重してくれます。「もしあなたの気持ちが進まなかったり、不安だったりするのであればやめてもいいのよ」と。
そう言ってもらえた事で、私自身の気持ちとも向き合うことができ、毎回クリアな気持ちで子どもを保育園へ送り出す事ができています。
今日も元気に登園!
日本とフランスのいいとこ取り育児
フランス流育児を知ると、もっと早くやっておけばよかったというようなものがたくさんあります。
一方で日本の育児の良さに気づく事もあります。
欲張りな私は両方のいいとこ取り育児をしていきたいと思っています!
お空観察
今年の9月には娘の幼稚園入園が控えています。
また皆さんにフランス文化の良いところをお伝えしていけたらなと思っています。
それでは、À bientôt!
街を流れる大きな河。なにがいたかな?
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